やさしいピンカートン様の爱につつまれて。
蝶々は幸せでございました。
しかし、とつぜんにピンカートン様に。
大统领様から帰国命令が。
下ったのでございます・・・。
あれから二年・・・可爱い坊やとふたりで。
あの方のお帰りを待つ、。
苦しいつらい毎日でした。
そして或る晴れた日にワシントン号が、
この长崎に帰って来たのでございます。
あの方は、あの方は、
新しい妻ケートさんを连れて・・・
朝も昼も闇また闇、
いつ日が升りいつ日が沈むのか・・・
それはもう蝶々には。
関わりのない事でございます。
今顷は、船はもう、はるか海の上・・・
あの子は新しい母に抱かれておりましょう。
もう蝶々には抱くものは何も、
何も无いのでございます。